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見学会体験記 ―小さな箱の力―

神奈川大学M1 WG 宮本一志 


 
2002年5月3日、その日は天気が良く、とても和やかに見学会ははじまった。今回の見学会ではまず、事務局長である建築家の兼松紘一郎さんの挨拶からはじまり、近美のコンペを行った時の坂倉事務所の中心人だった北村脩一さんのコンペの時の話、そして近美の活用的保存の研究をなさっている、建築家の藤木隆男さんから「近美の構造の現状とこれからどのように保存していくのか」という話を伺うことができた。  見学内容はグループを2つに分け、美術館そのもののと、その時の企画展である「西村伊作の世界展」を交互にそれぞれ見学した。まず美術館のコースでは様々な視点から、話を聞くことができた。そのなかで、柱である鉄や壁のパネルは戦争直後の日本の時代背景から、輸入するのが困難だったということなどの話を、胸をどきどきさせながら北村さんから伺うことができた。さらに近美のコンペ案が載った当時の雑誌を見せてもらって、北村さんに直接説明して頂いたりもした。この見学会ならではである。その他、興味深かったのは「維持」できる建築という話である。中庭の壁のパネルを外したら中の配管が全て見ることができ、メンテナンスができる、サイクルできる建築なのだ。

 この見学会の一番の魅力はやはり、この美術館の歴史にふれたり、あらゆる部分の細部を知ることを通して、21世紀の「建築」というものの問題点を考え直す事ができる、そしてこの近代美術館はそんな要素をたくさん持った美術館なんだということがわかったことではないだろうか。そして坂倉準三氏の岳父である西村氏の展示が、さらに今回の見学会を深みあるものにしてくれたと思う。これは近美の学芸員をなさっている水沢勉さんが案内してくれた。  最後に建築家の林昌二さんのまとめの言葉があった。その中で「この美術館に何回来ても、毎回発見がある」という話があった。それは魅力的な建築だということの最高の誉め言葉ではないだろうか。話が終わると参加者の拍手と共に無事この見学会は終わった。  建物というものは、そのもの自体から何かを語りかけてくれて、勿論私が50年前という時代に生きていたわけではないが、この見学会を通して色々な想いが巡った。私はきらきら水の揺らぎが天井に映る池をのぞむあの場所が大好きだ。その池の前の椅子に座っていると時間が止まっているような、自分の心と話しをしているようなそんな気分になれる。その日も見学会の時の事を思い返しながらそこにしばらくぼーっと座っていた。



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